■あらすじ
二人の紳士が東京からとある山奥に猟を楽しみにやってきました。道に迷ったところで山中に西洋料理店「山猫軒」があるのを発見。早速二人で入りましたが、次々と扉が現れ長い廊下が続きその扉ごとに客への注文が書いてあります。二人はそれに従い身繕いを解いて身体にクリームを塗りとうとう塩を塗るところまで来てどうやら騙されたことに気付きます。山猫が人間を食べるために注文を出す料理店だったのです。でも、地元の猟師が現れると風とともに猫も料理店も消えてしまいました。
■みどころ
賢治の唯一出版された童話集「注文の多い料理店」のタイトルになった作品。賢治の「序」文から感じられるのは、森の中で見たまま聞いたままに書いたのだという淡々とした作者の意図です。イーハトーブの空間から、都会という異界をチクリと皮肉っていますが、それよりも「かしはばやしの夜」「どんぐりと山猫」など童話集の他の作品にも通じる、林の世界への賢治の愛が強く感じられる作品です。
■合唱劇 「注文の多い料理店」作曲:萩京子 演出:山元清多
上演:合唱団じゃがいも(第28回定期演奏会 2001.11.10山形テルサ)