ゴーシュの里で生まれた小さないのちへ。ゴーシュ・ジージからのデイリー・メッセージ。
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8/4 ようこそ此処に みんな待ってたよ
なかなか姿を見せてくれなかったけれど、夜8時10分、とうとう此の世界に来てくれたね。ようこそ。みんな君を待ってたよ。
大変な1日だった。朝方、嵐が来た。バケツをひっくり返したようなとよく言うけど、本当にそんな大雨が1時間以上続いた。山形県の南の方では橋が落ちたり最上川が氾濫したり、大きな被害が出た。そんな中で、ゆきママは病院の一室でじっと君の訪れるのを待っていた。パパもジージもバーバもボリビアのジージもバーバもみんな今か今かと待っていた。ママが病院に入ってから二回目の夜が来て、とうとう君が動き出した。分娩室で30分余り。君も随分疲れたみたいだけれどママも頑張った。君が降り立って間もなく、携帯電話の画面に君の姿が映し出されると、山形でボリビアでみんな食い入るように見つめて歓声を上げた。おめでとう!
丸い目、丸い顔、丸い鼻、丸い手、とても可愛い。目を開いてもつぶっても、泣いても、愛おしい。みんなに幸せをありがとう。幸せな1日をありがとう。これからもよろしく。
8/5 こんにちは 見えるかな
君がこの世界にやって来て、出会った人は、ママと病院の人だけ。君を抱き上げている人たちを君のくりっとした黒い瞳で見られるかな?まだ、薄ぼんやりに黒い3つの点々にしか見えないかな。これが顔だよ。でも、ママの顔をじっと見つめているね。これ、ママだよ。
そして、今日はお昼前に、パパが初めて君の前に登場しました。家族が病院に入れるのは、一人だけ、15分間だけ。ジージもバーバも早く君に会いたいけれど、退院してくるまでの辛抱です。あと4日だね。パパの顔わかったかな?みんなが言ってるよ、君はパパにそっくりだって。
君のママはこの人。君のパパはこの人。君はこの二人の子供になった。よかったね。これって、巡り会いかな。君は8月4日に生まれた。生まれるまで誰もわからなかった。でも、生まれてみたら予定日のたった5日前。もっと早かったらパパの在留資格延長の手続きと重なっただろうし、もっと遅かったら、9日以降山形に帰省する葵斗君たち、奈瑚ちゃんたちに会えなかっただろうね。この日しかないという日に嵐とともに生まれたんだね。これって、偶然かな。
この世界では、毎日いろんな事があるよ。そういえば、パパを病院に送るとき、イオン天童でママへの差し入れを買っていたら、ママの友達の恵ちゃんとお母さんにバッタリ会った。恵ちゃんは、君のいる病院で去年赤ちゃんを産んで、先月、家に来てゆきママにいろんなことを教えてくれた。昨日も「ゆきちゃん、もう、生まれたかな」って心配してたんだって。バーバも報告しなくっちゃと思っていたら、イオンでバッタリ。「おめでとう。これからも、ずーっとよろしくね。」だって。これって、偶然かな。
全部偶然なんだろうけど、人間って、それを偶然じゃないって信じて運命を自分の物にして生きていくんだよ。おもしろいね。
8/6 いっぱい泣いていいんだよ
昨日の夜は初めてママと一緒だったんだね。ママが言ってたよ、夜中まで5時間くらい泣き続けたんだって。新米ママも途方に暮れていたのかもね。でも、ママも赤ちゃんの時はとてもよく泣く子だったから、お互い様っていうところかな。ジージもね、泣き止まないゆきママを抱えて、もう勝手にしろって投げ出したいくらいだったのを思い出すよ。でもね、赤ちゃんは泣くのが仕事だからね。言葉も話せないし身振りすらできないし、何かあったら泣いてアピールするしかないんだもんね。
5時間も泣かなきゃならなかったのは、どうやらお腹が空いてもミルクを飲ませてもらえなかったからみたいだね。新米ママと新米赤ちゃんだから、おっぱいがちゃんと出てちゃんと飲めるまでには時間がかかるんだね。君のいる病院は、母乳で育てられるように、母乳の授乳の練習を優先して君が随分疲れるまでミルクを出してくれなかった。だから、5時間もたってから、ミルクをもらって、それを飲んだらようやく君もスヤスヤと眠ることが出来たわけだ。そういえば、ママのお腹から出てくるときも、君が一生懸命出ようとしても出られないのに病院の人はなかなか引っ張り出してくれなかったって。人の力人工の力でなくて、自分の力自然の力で生きていけるようにと考えてのことだから、病院の人が意地悪しているんじゃないから、安心してね。此の世界に来てまだ2日、生きていくのも楽じゃないかもしれないけれど、まあ、がんばってよ。
だから、泣きたいときは遠慮しないでいっぱい泣いていいんだよ。
8/7 名前はまだない。ある?
ゆきママの赤ちゃんが生まれたと聞いて、みんな祝福しています。そして、みんなの質問は、「どっち?」。そう、君は女の子。そして次の質問は「名前は?」。 君の名前はどうやら決まりつつあるみたい。ママもパパも君のことを「ミ・ツ・キちゃん」と呼び始めている。 君のママは日本人。君のパパはボリビア人。君は日本の山形県で生まれた。将来はどうなるかわからないけれど、しばらくは日本の山形にいることになりそうだね。だから、ジージもバーバも君と毎日一緒に過ごせるのを楽しみにしているよ。それはそれとして、君の名前は、ママとパパが随分頭を悩ませながら決めてくれたようだよ。ミツキちゃん。だけど、漢字はまだ決まってないんだって。 日本人の名前、ボリビア人の名前は、ハッキリした区別はないけれど、実際、日本語風の名前とスペイン語風の名前とは大分違ってる。でも、君は日本でもボリビアでもそのほかの地域でも生きていく可能性がある。ママもパパも君が日本人でもボリビア人でもあるバイリンガル、ハイブリッドに育って欲しいと願っているみたい。だから、君の名前を考える時、最初に気を使ったのは、日本人にとってもボリビア人にとっても呼びやすく響きがいいこと、だったようだよ。それで、随分早くからミツキは有力候補だったようだ。あとは漢字がどうなるかだけれど、それはもう、日本で生活する場合の問題だろうから、いろいろとママとパパに選んでもらえばいいのかな。葵斗くんたちももう君のことを「ミーちゃん」と呼び始めているよ。 人間が一人一人違うように名前もいろいろだよね。名前をつけてもらう赤ちゃん自身に選ぶ権利はないのだけれど、名前って不思議なことに自分の名前が嫌いだという人は意外と少ない。それは、名前がママやパパや周りの人たちからの心を込めた贈り物だからだと思うよ。どんな名前だろうと、君が君のママと君のパパの間に生まれたこの世にたった一人の存在であることに違いはないのだけれど、その贈られた名前を自分の物として受け入れることから君の人生がスタートするんだろうね。 ミツキちゃん、よろしく。サトシからのごあいさつです。
8/8 8月4日生まれの人
君と同じ8月4日生まれの人。
アメリカのオバマ元大統領。
日本では・・・吉田松陰。旧暦の8月4日だけどね。
真夏の日本、それも日本の中でも夏暑い山形県の山形盆地で生まれたから、暑さには強い人になるのかな。ボリビアは南半球だから今は冬。ボリビアの8月生まれの人は寒さに強いのかな。パパは7月生まれだけど、寒さは苦手みたいだ。
8/9 初めまして わたしがジージです
今日は待ちに待った退院の日。
午前11時30分。パパとジージとバーバと車で病院へ迎えに行きました。病院の駐車場に着いてもなかなかママと君は出てこなかった。3人ともそわそわしながら車の中で待っていた。12時頃、君がママに抱かれて病院の玄関を出てきた。そして、ママが最後の会計を済ませる間、バーバが君を抱っこしていた。ジージもバーバも君とは初対面。でも、ゆっくりあいさつをする暇もなく、ママが会計を終えると君を車のベビーシートに乗せて家まで帰ってきた。
初めて当たった外の風はどうだったろう。30℃を超える暑さはどうかな。空は曇っていたけれども真夏の日差しはまぶしいだろうね。これが君の生まれた土地の厳しくもあり恵みをもたらす気候だ。
そして、君の山形の我が家での生活は始まった。
エアコンを効かせた部屋を準備して、できるだけ穏やかな状態を保って、部屋の外に出るのは恐る恐るというか徐々に徐々にという感じです。
病院の玄関ではテレビ局のカメラが待っていたし、家には川崎の葵斗君たち一家5人が泊まりに来たし、まわりは何かとにぎやかだけれど、親族みんなを含めて君の一日一日の成長を見守っていきたいと思う。
8/10 君の顔、君の身体
おはよう。病院での夜ほどではないけれども、昨日の夜も泣き止まない時があったようだね。君は泣き止んだと思ったら寝てるし、起きたと思ったら泣くし、泣いてるか寝てるかのどっちかだってママが言っている。一晩たって、ちょっと落ち着いたところで、ジージが抱っこする時間がまわってきた。30分くらい抱っこしている間、君はずっと寝てた。
抱っこしながら、ようやく君の顔をしげしげと眺めたよ。写真やビデオで見ていたのともまた違って見える。
髪の毛は黒いだけでなくてつやつやとしてる。1センチ以上伸びている。眉毛はうっすらだけど結構太いね。何と言っても目が切れ長で、目を開けたときは黒目の部分が大きくて目が輝いている感じ。「円らなひとみ」っていうのかな。これが、とってもパパに似ているんだ。鼻は大きめだね。口も大きめで唇がよく突き出すように動く。輪郭は卵形でおでこや顎も収まりがいい感じ。手足が長いイメージで手も足も指が長い。動かすときはグッグッとちょっと力強いね。体重は3044グラムからそれほど増えていないだろうから、まだまだ軽い。
パパに似ている。そっくり。ミニ・ロナル。ママに似てる。ボリビアのバーバに似ている。これから君を見る人見る人それぞれにイメージを結びつけて誰かに似ていると言ってくれるだろうね。でもね、それはその人その人が君を受け入れようとして言ってることで、本当は、君が誰に似ていたって似ていなくたってどうでもいいのさ。君はこの世でたった一人の君なんだから。
8/11 君の名前はみつき
今日の夜、ママとパパが君の名前の発表セレモニーを行ったよ。ママが君の命名書をみんなの前で広げた。君もパパに抱かれてそれを見ていた。
名前は「みつき」。
読み名はもう決まっていて、あとは漢字を決めて発表することになっていた。だから、ひらがな三文字の「みつき」はサプライズだね。
みつきという言葉を大事にしたかったから、迷いに迷ったけれど、漢字はそもそも中国から来た言葉だし、ひらがなの方が生まれた国の日本をより実感できるから、こうなった。みつきはボリビア近隣の地域で使われているケチュア語で美しいとか輝いているという意味を表す言葉だから、ボリビアの家族も親しんでくれるだろうから、とママが言っていたよ。
葵斗君はじめ5人のいとこみんな、東海林ファミリーに迎えられて祝福されて、いよいよ君の人生は動き出した。
8/15 にぎやかな日々は過ぎ去り
君が家に来た日から、我が家は御盆の帰省でとてもにぎやかだった。退院した日の午後には川崎の久美おばさんの一家5人が来て、3日目の11日には埼玉の晃太おじさんの一家4人が来て、君の命名式は大変なにぎやかさになった。久美家の葵斗・絃斗・琴彩のいとこ三人、晃太家の奈瑚・茅咲のいとこ姉妹、みんな揃ったのは初めてのこと。君はじいじの6番目の孫だ。たった一晩だけだったけれど、じいじにとってこんな楽しい夜はなかったよ。
でも、今日は残っていた晃太家も帰ってしまい、我が家も火が消えたように静かになった。そして、ようやく君も本来の生活を送れるようになった。ママと二人で小部屋に籠もっている時間も短くなって、最初は泣いてばかりいた君も少し落ち着きが出てきたような気がする。
さあ、これからじいじも6番目の孫とじっくり付き合っていきたいなあと思っている。
8/16 我が家の住人になった
今日は、じいじが市役所に行って、君の出生届を出してきた。これで無事に戸籍に記載され、住民基本台帳に記載され、君は我が家の住人・山形市民・日本国民になったよ。
出生の日から14日以内に届けなければならないことになっていて、明日が期限だった。家がにぎやかでなかなか行けず、今日になってしまった。赤ちゃんの出生届はだいたいパパがやるんだろうけれど、君のパパはまだ日本語に慣れていないから一人でいろいろな手続きをするのが難しい。だったらじいじが行ってやろうということになった。
届出書に記入して出せばいいと思ったら、内容審査があって、修正を求められて、一旦家に戻ってママに何カ所か書き直してもらって出直した。でも、そのあとは、国民年金・国民健康保険・児童手当・子ども医療の手続きをスムーズに終えて、ちゃんと君の保険証ももらってきた。市役所からは紙おむつのプレゼントももらった。
じいじが届けたのに、「届出人は、父か母が原則になってますので、同居人の氏名印では受理できません。」「父が外国人で日本語がしゃべれないから代わりに来たのは例外じゃないですか?」「例外というのは、父母が病気の場合などだけです。届出人と単なる持参人とは違うので。」「それから、外国人の場合はこの記載例のように国籍を書いてください。鉛筆で書き留めて、お母さんが清書してください。」というやりとりがありました。訳のわかったようなわからないような問答だけれど、日本では、どんな小さなことでも普通と違うやり方をするということは大変なことなんだなと改めて思ったよ。
出生届だけでなくて、日本で外国人が生活することはいろいろな障害がある。こうした行政手続きをする時なんかにその難しさを感じるようだ。パパも在留資格の手続きで仙台まで通ったり苦労している。でも、垣根のことを高いとか厚いとか言うよりも、それはしなやかに飛び越えて、両方のフィールドでの生活を楽しんで充実した人生を送れるようにすればいいんじゃないかな。
8/17 手足をギュッとモロー反射
一日一日と生まれてからの日数が増えるに従って生活のリズムも出来はじめて少し落ち着きが出てきたような気がするよ。とは言っても、ママは相変わらず眠そうにしている。
泣いているとき、君は両手両足を震わせながら突き出して何かを強く訴えるような動きを見せる。足の蹴りも結構強いね。物心ついたらパワフルな女の子になっているかな。
眠っているときも、時々ビックリしたように両手両足を突き出すことがある。食器がぶつかったときのような甲高い音に反応したり、人が近寄る気配に反応したり。これ、モロー反射という赤ちゃん特有の反射現象だそうだ。人間の本能的な動きで、生後4か月頃には見られなくなるという。多分、原始時代に猛獣や敵から襲われたときに瞬時に逃げることが出来るように、大きな音や不審な気配に反応して手足を突き出してすぐに助けてくれる人に捕まれるように出来てるんだろうね。4か月ぐらいすれば、脳が働き出して、危険ということを認識することもできていくだろうから、それまでの防衛本能だね。それにしても、君のモロー反射は結構頻繁だ。聴覚が敏感なのかな。それとも、何か不安を抱えていて、身を守ろうとしているのかな。
それも含めておおむね順調に成長しているね。明日は、初めての病院での診察だ。
8/18 順調な成長です
今日は、初めての病院での診察日だった。
じいじが君とママを車に乗せて送り迎えした。午前11時から午後1時頃までかかったけれども、結果は良好。ママも安心した顔で病院の玄関を出てきた。
9日に退院してから10日。御盆行事でまわりがにぎやかな中で、新米ママとパパは悪戦苦闘だった。夜に泣き出すとだっこしても泣き止まなくて毎晩苦労している。ママは、君がおっぱいをちゃんと飲んでくれているのか不安。途中で寝たり、すぐに泣き出したりで、体重を量ったら3日たっても退院時と同じなものだから、迷いながらもミルクを少し飲ませるようにした。ミルクはよく飲んで、眠りも長く続くようになった。体重も増え出した。そしたら今度はうんちが出なくなった。結局、まる2日たって病院に行ったら出た。診察では、母乳とミルクの配分などうまくやれていると褒めてくれたようだ。君の成長も順調だし、不安だったママも少し自信が出たようだよ。
さて次の診察は8月31日。それまで2週間ほど。ここを順調に過ごせれば、新しい月・9月を迎えることができる。
8/22 メリーを付けました
1日1日君の表情は変化する。少しずつ肉付きがよくなって顔もほっぺたもあごも手も足もみんな丸くなり出した。泣き声も少し強くなった。そして、ぱっちりと目を開けたときは、何かを見つけてジッと見つめるような感じになってきた。赤ちゃんはまだ視力が弱くて0.1ぐらいだというから、ぼんやりしか見えないのだろうけれど、生まれたときよりは少しピントが合ってきたかな。
赤ちゃんは生まれたときから人間の顔を探しているというんだ。もちろん、最初は顔というものを知らないから、顔じゃなくて、黒い丸が二つ並んでその下にもう一つの黒いものがある黒の三点形を見つけると本能的に凝視するようになっているそうだ。そして、おっぱいが欲しいとかおしっこしたとかその三点形に向かって泣いたり、不思議な笑ったような顔をして見せたりするようになる。三点形は次々入れ替わるのだけれど、最初は同じ反応をしてもやがて、君は三点形・顔には違いがあることを発見する。そうして、大事な顔とそうでない顔を見分けるようになる。
ベビーベッドの脇にメリーゴーランドのように飾りが回って音楽が鳴る「メリー」を取り付けたよ。これは琴彩ちゃんからのお下がりだ。ディズニーキャラクターが3つぶら下がってゆっくり回る。その顔は黒い丸々とした目が二つと小さな黒い口。ミッキーも猫もおんなじ。今日はベビーベッドではずっと寝ていたから音楽だけだったろうけれど。明日からは、ベッドの上で目玉クリクリのお顔を発見してくださいね。
8/21 生まれる命もあれば逝く命もある
8月18日の午前、合唱団じゃがいもの森谷文一さんが急に亡くなった。今日が葬儀の日だった。
君には直接関係ないけれども東海林ファミリーにとって、合唱団じゃがいもが生活の中心になっていた時代があって、そのことなくして今のファミリーはあり得ない。それを忘れないためにも、その時代ずっとお世話になった森谷さんのことをここに記銘しておきたいと思ったんだ。
合唱団じゃがいもは合唱団だけれども毎年の演奏会で合唱劇を公演していた。林光という作曲家をはじめ、日本の第一人者が東京から来て、一緒に楽しみながら作品を仕上げる。東海林ファミリーでは、じいじとばあばだけでなくまだ小学生かその前の由貴ママたち三姉弟も参加していた。10年以上もそんなことをやっていて、そのユニークな活動は全国にも知られるのだけれどそれの合唱団じゃがいもの活動をひっぱったのが指揮者の鈴木義孝さんでその運営を切り盛りしたのが森谷文一さん。じいじは年下なので、上演活動への補助金をもらったり、毎月の連絡だよりを発酵したりして手伝っていた。鈴木さんの娘2人、森谷さんの娘4人に東海林ファミリーを含めて、合唱団じゃがいも黄金期は、この3ファミリーが仲良く楽しくやっていたという感じだ。
まさかその森谷さんがこんなに早くに亡くなってしまうとは思ってもみなかった。体調を悪くして練習からは退いてはいたけれど命に関わるなんて。じいじはショックなんだ。森谷さんと出会ったのは高校1年の時だから、もう50年近くなる。その間、ほんとにいろんなことがあった。じゃがいもの活動は大変なこともあったけれど、本当に家族ぐるみで楽しませてもらった。
生まれてきた命は、いつかは必ずその終わりの日を迎える。それがいつなのかは自分を含めて誰も知らない。残された日数はジイジの方が君よりずっと少ないけれど、限りがあるという点では同じだ。その人生の一日一日がかけがえのないものだ。今日も明日も大切にして生きていこうと思ってるよ。
8/26 じいじと初お昼寝
パパは金曜日と土曜日が仕事お休み。今日は金曜日なので、午後からパパとママが買い物に出かけたいというので、じいじとばあばが君を見ていることになった。
ばあばも洗濯したいというので、じいじが抱っこした。抱っこされると割とおとなしいけれど、じいじが座ったり立ち止まったりすると快感が薄れるからかむずかり出す。じいじは君を抱っこしてあちこち歩かせられる羽目に。お庭を眺めながら、君がクリクリした目で何かを追っかけているのを見ているのは飽きないけどね。でも、ちょっと疲れたので、じいじとばあばの寝室に上がってじいじのベッドに君を寝かせて、じいじもその横に寝転んだ。君は初めての場所なのに、気持ちよさそうにスヤスヤと眠りだした。手足を動かしたら身体をトントンすると落ち着く。その調子でだんだん眠りも深くなったようで、手足も動かさなくなった。おかげでじいじもウトウト。30分くらい寝たろうか。それでも君はぐっすり。それほど暑くもなく窓からは薄日が差して、鳥の声や虫の声が聞こえてとても穏やかな空気の中で君は寝続けた。いつの間にか、2時間が過ぎた。日中こんなに長く眠ったのは初めてじゃないかな。さすがに、ママとパパが心配しながら帰ってきた。ママに抱っこされても君はうつらうつら。もしかすると、ぐっすり眠るということに目覚めたのかもしれないね。またお昼寝しようね。
8/27 みつきダンス
起きているときの君は手足をしょっちゅう動かしている。伸ばして縮めて伸ばして縮めて。その繰り返しなのだけれどもその勢いの良さ・速さにじいじはこのところ感心しているよ。両手は頭の上に上げて下げて。両足は蛙のように曲げて次の瞬間直線上に伸ばして。この足の動きがすごいよ。屈伸を繰り返すのだけれど、何分たっても疲れることなく続けている。しかも、右足と左足のテンポが微妙に違っている。右足屈伸3回するうち、左足屈伸は2回くらい。それに両手の動きのリズムも違っているので、ただの屈伸の繰り返しじゃなくて、これはダンスだ。ママとパパはボリビアのダンスイベントで知り合った。二人ともヒップホップのダンスが大好き。思いのままに手足を動かすダンスに君の手足の動きはそっくりだ。これは「みつきダンス」だ。持って生まれた才能だね。
8/31 生まれた病院とお別れ
今日はちょっと4日ほど早いけれど、1か月検診の日でした。慌ただしい毎日だったけれど、早くてもう1か月が経つんだね。君も随分大きくなった。あごも立派な二重あごになった。1か月検診が無事終わると、生まれた病院での定例の診察はもうない。健康に育っている限り、生まれた病院に来ることはないんだ。じいじも、君が生まれる前から、ママの診察の送り迎えをしていたから、この病院に来ることがもうないとなると、ちょっと寂しい気持ちだよ。ま、玄関から中には一度も入っていないけれどもね。
午後3時半から夕方の診察で、終わったのは6時近く。結果は、母子ともに順調ということで、まずはよかった。最近のママの悩みは、君のうんちがなかなか出ないことと、夜なかなか寝てくれないこと。お医者さんの回答は、うんちの間隔はそれぞれ違うしお腹が張ってきてるわけでないから様子を見て大丈夫、まだ生後1か月だから睡眠時間が短いのはみんな同じ、ということだったらしいよ。お医者さんの言うとおり、順調に育っているから安心していいみたいだ。
さて、君もお医者さんの手を離れて、いよいよ我が家での成長の日々を重ねていくこと時期になりました。じいじもばあばもしっかりサポートしていくつもりだからね。
8/28 じいじとばあばからの贈り物
君の生まれる前にママとスーパーのイオンに行って予約注文していたものが入荷したという連絡があって、今日じいじが取りに行ってきたよ。
出産準備お買い得セールの3点セット。電動ゆりかご(ハイローチェア)とベビーカーとチャイルドシートの3つだ。ハイローチェアは電源を入れると自動でゆらゆらと不規則に揺れるという優れもの。君が泣いたときに抱っこしなくてもこれに寝せれば泣き止む、といいな、と期待される商品です。ちなみに、夕方初めてママが泣き出した君を寝せたら、君はピタリと泣き止んだ。すごい威力だ。と思ったものの15分の自動運転が終わって君は再び泣き出し、抱き上げても、も一度寝せても、君が泣き止むことはなかった。ま、機械だからうまくいくこともあればうまくいかないこともある、使いようだということだね。
ベビーカーの活躍はまだ先だね。1か月以上たって、穏やかな天気で君の調子がいい時を見計らって、お外に散歩に行くときに使うものだからね。じいじは、君と散歩に出るのを今から楽しみにしているよ。
チャイルドシートは、31日の1か月検診の時に初使用して、あとは、いずれママの車でお出かけすることが多いだろうから、ママの車に装着することになるだろうね。装着してからシートが前向きから後ろ向きにとくるりと回転する優れものだよ。
9/8 うんち騒動
ママもそろそろ仕事を始めてみようと思うくらいに君のいる生活が軌道に乗り始めたようだ。
ママの仕事は日本語教室の先生。と言っても、学校に行くのではなくて家でインターネットで世界各地の生徒さんに教えているんだ。一コマ1時間でいくらかの謝礼をもらうというわけだ。
7月半ばからは休んでいたけれど、9月から再開したら、ボチボチ生徒さんから申込みが入っているらしい。今日もじいじが買い物から帰ったら、4時から日本語教室なんだけど、パパも買い物に行って帰ってこなくてどうやら忘れてるみたい。代わりに見てくれる?とママから言われた。それは大変と、じいじがピンチヒッターで、1時間君を見ていることになった。
じゃ、お願いね。と言われた4時5分前には、まだ君はハイローチェアに揺られてスヤスヤと眠っていた。でも、平和な時間は5分くらい。目を開けた君は手足をモゾモゾさせ、ついにはバタバタとなって泣き出した。やむなく抱き上げて部屋の中を歩いてよしよしした。ところが、抱っこしたじいじの右腕に君の左足からツーっと汗のようなものが伝った。そんなに暑いか、いや、こりゃオシッコだ!どうやらオシッコをいっぱいしておむつがパンパンになって漏れちゃったんだな。このまま1時間はかわいそうだ。と思って紙おむつを探したが、どうやら2階にあってこの部屋にはないようだ。そこで、仏間に出生届の時にもらったSサイズのおむつがあるのを思い出して君を抱えたまま取って来た。それでソファのバスタオルの上に君を置いて君のおむつを広げたら、なんと、大量のオシッコではなくて大量のウンチだった!ミルクカレーのようなドロドロがおむつ全体、お尻から背中の方まで広がっている。まずい、思わずおむつを閉じた。お尻ふきは部屋にあった。急いで勝手口から新聞紙を持ってきて一枚君の下に敷いた。そして、深呼吸をしてもう一度君のおむつを開いた。そして、うんちを取って丸めて、次に君のお尻を何度もふいた。なんとかきれいにして、ダブダブのSサイズの紙おむつをはかせてベビー服のボタンを締めて、ゴミを紙おむつ処理器に押し込んで、洗面所で手を洗って、もう一度深呼吸して、君を抱き上げた。時刻は4時15分。10分余りのパニックだった。君は新しいおむつが気持ちいいのか、スヤスヤと眠り始めた。ハイローチェアに戻してもスヤスヤ。5時になってママが戻ってきてもまだスヤスヤ。なんとか1時間の役目を果たして、じいじはホッとした。また見てあげたいけど、できたらウンチはしないでね、というのは勝手なお願いだね。
9/17 エンジェルスマイルありがとう
赤ちゃんを抱っこしているとき、赤ちゃんが口元をキッとつり上げて可愛い笑顔を作ることがよくある。最近の君は、その頻度も上がったし、その表情もますます笑っているように見えるようになった。これ、新生児微笑とか生理的微笑とか言われる現象。まだ脳が育っていないから、うれしい!という感情表現ではなくて、モロー反射のような赤ちゃんの反射的な動きなんだね。一人で寝ていても笑顔を作るけど、抱っこしているときによく笑顔を作ってくれるので、ママたち養育者と赤ちゃんとの感情的な絆を深めるための本能的な行動のようにも見えるね。ばあばは、君を抱っこして、君がニッと笑顔を作るたびに、笑った!って大喜びしているよ。赤ちゃんって生まれながらにして親孝行しているって言われるのはこういうことなんだね。新生児微笑はエンジェルスマイルとも言われるんだって。今日も可愛いエンジェルスマイルをありがとう。
10/4 もう2ヶ月たったね
近頃の君は体重も増え、縦にも横にもぐんぐんと大きくなっている。泣き声も手足の突っ張りも一層力強くなってきた。感心しているうちに、誕生日からもう2か月がたった。まずは順調だね。
ものが見えてきたんだね。人の顔を見つけるとジッと見つめてくる。メリーの人形が回るのを楽しそうに見ている。手足の感覚ができたんだね。手のひらに物が当たるとつかもうとするようになった。音も、風鈴の音とかきれいな音に反応するようになった。もちろん、エンジェルスマイルも何回もしてくれるし、ご機嫌なときにするようになってきた。「ウー」と声も出すようになった。
ほんのちょっとだけれど、君とのコミュニケーションが始まったような気がする。
11/4 初お宮参りと記念撮影
みつきちゃん、今日で生まれて3ヶ月になりました。
以前から計画していたお宮参りと記念撮影。みっちゃんにとっては、初体験の忙しい一日になったね。
まずはお宮参り。生後30日くらいで行くことが多いけれど、慎重派のママは君を外に出すのは3か月たってからにしようと考えた。外に出るといろいろなバイ菌や刺激が多いからね。それで、友引で縁起がいい今日になったわけ。9時15分に家を出て、木枯らしの吹く寒い日だったけれど、�病院以外では初外出となりました。山形市中心部にある湯殿山神社で受付が済むと間もなく神殿に案内されました。10時からのご祈祷は、もう一人3歳の女の子と家族の七五三のお参りと一緒になった。なんと、その子の名前もみつきちゃんだった。いい名前だね。20分くらいのご祈祷の間、3歳のみっちゃんはずっとむずかって泣いていたけれど、0歳のみっちゃんはばあばの腕の中で着物に包まれてすやすやと眠っていた。お利口さんでした。家に帰ってお家の神棚にお札を上げてお参り。一仕事終えた感じでみんなでホッとしました。
そして午後からは、記念の写真撮影をイオンモールの写真屋さんに予約していたので、みんなでみっちゃんを連れて出かけました。じいじも孫の記念写真のスタジオ撮影を見るのは初めてなので、楽しみにしていたよ。2時30分の予約で受付後、撮影の順番待ち。15分くらい待って、いよいよ撮影スタート。最初は100日祝いのお食い初めのセットで。女性のカメラマンと補助の2人がみっちゃんをあやしたり支えたりほっぺをつっついたり衣裳を整えたりよだれを拭いたりよーいどんで全力疾走みたいな感じでパシャリパシャリとシャッターを押していきました。30秒ぐらいして「はい、いいでーす!」の声がかかると、バックや小道具担当の人が入れ替えてみっちゃんをベビーベッドに運んで衣裳を着せ替えて、あっという間に「次、いきまーす!」で命名書を入れたお宮参りのセットに。また、30秒間よーいどんをして、「はい、おっけーでーす。次は、集合写真。」となって、パパママと3人での撮影。「はい、次はー、ドレスかな。」ということで、みっちゃんがローズ色のドレス姿に変身!頭にリボンを巻いて、うわーかわいい!と見ている間もなく、「はーい、次はにわとりさんかな。」ということで、みっちゃんはニワトリの着ぐるみ姿に変身。これがまたかわいい!そして、次は裸ん坊のパンツ姿でうつ伏せになって頭を上げてニッコリ。はい次は籠に仰向けになってパチリ。そして、まだまだ、となりのセットに移って、最後は長いお耳を頭に着けてウサギさんに変身、パチリ!15分か20分くらいの間に撮りに撮りました。みっちゃんはちゃーんと泣かずに、ちゃーんと微笑んで、モデル役をこなしてくれました。イオンモールいやお店という場所すら初体験のみっちゃんが、こんな目まぐるしい撮影をちゃんとやり終えたことに、じいじはびっくりしたり感動したり。ママもパパもばあばも無我夢中で楽しい時間を過ごしました。その後のアルバム写真選びも、注文のセットを思わすランクアップしてしまって、時間がかかってしまったけれどみっちゃんは眠っていてくれて本当にお利口さんでした。お店を出たのは5時30分。大人も疲れたけど、みっちゃんが一番疲れたでしょう。でも、楽しかった。写真が出来るのが楽しみです。
11/5 誕生記念樹は山ブドウの木
昨日のお宮参りと写真撮影で体調を狂わすことなく、みっちゃんは今日も元気です。
昨日はもう一つのイベントとして、誕生記念の植樹をしました。でも、寒かったのでじいじ一人でやりました。今日は穏やかでいい天気になったので、みっちゃんは、ママに抱かれて記念樹とご対面することができました。これから、みっちゃんも記念樹もスクスクと伸びてくれるよう願っています。
家の庭には孫が生まれるたびに記念の植樹をしてきました。みっちゃんの前にもう孫が5人になったので、記念樹も5本。花桃などの花の咲く木や、梅、あんずなどの実のなる木が四季折々に楽しませてくれます。我が家の「孫の森」です。6人目のみっちゃんの記念には何がいいかなと、じいじは随分迷いました。どちらかというと実のなる木で楽しめた方がいいかなと思いましたが、サクランボやモモなどの本格的な果樹は手入れが難しく、それでも検討の末、「山ぶどう」の木を植えてみることにしました。野山に自生するものも多く、山形県内でも野山に見られるので、家の庭でも大丈夫かなと。そして、たくさんぶどうが収穫できた暁には、是非山ブドウワインを作ってみたいものだなと、勝手に夢を広げながら、じいじは苗木を準備し、植える場所の草木を刈ったりして準備していました。
これを機に、孫の森の木々に名札をつけました。孫の名前と生年月日を書いています。
孫の森の成長を楽しみながら、孫たちの成長を見守って行けたらいいなと思っています。
5/1 子ども見守り隊
地元の小学校の子ども見守り隊活動を初めて10日余り。毎朝、町内の交差点に立って、投稿する小学生におはようの声掛けをしています。地元小学校区内の青少年育成推進員を山形市役所から委嘱されたことをきっかけに、まず自分の町内の朝の立哨活動から始めてみようかと思ったのです。はじめは、毎朝自宅の外にでるだけでも大変なイメージがあって、はたしてどのくらい参加できるか確信が持てませんでした。毎朝、ただ「おはよう」「いってらっしゃい」と発声することが子どもたちの応援に本当になるのだろうかという懸念も。
4月27日の山形新聞のオピニオン面のコラムにこんな記事が。新1年生の投稿する姿を見て、筆者自身の長男が1年生だった時のことを思い出したとして、息子が「行ってきます」と家を出た十分後に必ず「ただいま」と家に戻ってきてしばらくすると再度出ていったこと、忘れ物とかトイレとか理由はあっても1か月たっても続くので問い質したところ学校までの中間ぐらいになると家に帰りたくなってしまうと言ったこと、それを聞いて筆者は息子を思わず抱きしめたこと、その後朝のただいまはなくなったこと、が書かれていました。
朝の投稿風景は毎日の日常で1年生も含めてみんな黙々と学校に向かって歩いているように見えます。でも、一人ひとりの心の中には様々な不安や葛藤が隠されているということを記事を読んで感じさせられました。緑のジャンパーをまとった近所のおじさんおばさんの「いってらっしゃい」は、子どもたちの心に届いているのかもしれないと思えて、私自身の活動も少し長く続けられそうな気がします。