7/9 紅花◇まゆはきを俤にして

 今から330年余り前の7月上旬、松尾芭蕉が尾花沢に逗留した時の句が、「まゆはきを俤にして紅の花」。ちょうど紅花が満開だったのでしょう。
 ゴーシュ・ガーデンに紅花が咲きました。近年は、近隣の山形市出羽地区でも紅花畑が増えてきましたが、もう満開です。こちらはまだ咲き始め。
 これまで、何回か種を播いたのですが、花を咲かせるまでには至りませんでした。紅花栽培は難しいです。まず発芽率が低い。古い種はダメです。発芽してもなかなか大きくならない。雑草の伸びの方が早いので、草を取ってやらないと負けて枯れてしまう。しかも虫が付きやすい。葉が美味しいのでしょう。とにかくひ弱で手がかかる子です。
 昔の人はそれでも、花を摘んで紅餅にして高く売れたから丹精込めて紅花を育てたのでしょう。紅がお化粧に使われることから、ひ弱な植物と薄幸な美人のはかないイメージを眉掃きという化粧道具で結んだ芭蕉の名句です。

2021年07月09日